「ある日ある時ある場所で」よりジュリア、リュムレット
2010年寒中御見舞い。
ずっと寒中見舞いは一発オリジナルだったんですが(一回だけ違うけど)さすがにネタ切れになりまして、創作キャラ解禁しました。
で、ええと、どの辺が寒中?って感じで…(遠い目)
実はキャラがこんな感じでした。上着を羽織ってます。
何か色々こっぱずかしい出来ですが(笑)全体的な雰囲気とか、結構気に入っています。
冬の空っぽくねえなとか、夕焼けが違和感ありまくりだなとか、思うところは多々ありますけども。フフフ…。
日が傾くと、急に風が冷たくなった。
そんなに長く掛からないだろうからと羽織ってきた薄いケープでは少しつらい。
でも、もうすぐ家が見えるはず。だから大丈夫。
こっそりと頷いて顔を上げたそのときだ。
突然、ぬくもりに包まれた。
彼がそれまで着ていた上着が、自分の肩に掛かっていた。
平気だからと返そうとするより早く、今度は右手をぎゅっと握られる。
立ち止まっていた自分を振り返る顔は陰になって見えない。
どうするべきか、頭が真っ白になって、とりあえず彼の左手を握りかえした。
ふっ と、微笑んだ気配がした。
夕焼けへ目を向け歩き出した彼の顔は見えない。
左手だけでは返すに返せないぬくもりを握りしめる。
お礼を言わないとと思うのに、言葉が出てこない。
ぎゅうっと、右手に力がこもる。
「あったかいなぁ。」
「寒いわよ、バカ!」
やっと出た言葉がこれだなんて。
自己嫌悪に陥る自分に気付いているのかいないのか。
彼は空を見上げて言った。
顔は見られなかったけれど、きっと、笑顔で。
「あ、一番星。」
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